年会費無料のクレジットカード? 真のおすすめカードはこう選ぶ!
クレジットカードを選ぶときに重視する特徴の1つに、「年会費」がありますよね。
カード会社もそれをよく知っているので、「年会費無料」という点を大きく広告しています。
でも、そんな広告に誘われてきちんと調べずに契約してしまうと、
「え? 年会費無料には条件があるの?」と騙されたような気になってしまうことがあったりします。
また、クレジットカードを選ぶときには「年会費無料」以外にも見るべき機能や特徴があります。それらにあとから気が付いて後悔することもあるかもしれません。
そんなことにならないように、クレジットカード持つときに重要となる「選び方」を説明しましょう。
学生向けのクレジットカードとは
「学生向けのクレジットカード」は、申込条件に「学生」と明記されている「学生専用カード」と、学生でも申し込むことのできる「学生向けの一般カード」の2種類があります。
「学生向けの一般カード」は広告を眺めてもすぐに分からない場合もあるので、申込条件を見て探す必要があります。
具体的には、以下のような申込条件で
- 満18歳以上(高校生を除く)
- 満20歳以上(高校生を除く)
- 満18歳以上30歳以下(26歳以下などもあります)
「収入条件や職業条件がない」か、あっても「アルバイト可能」と明記されているものです。そんな条件であれば、「学生向け」だと考えても良いでしょう。
学生向けの一般カードでも、学生専用カードと同じように「学生にうれしい」特典が付帯されていますので、特典内容を見て判断するのも良いかもしれません。
なお、学生専用カードでも、学生向け一般カードでも、どちらにしろ「学生向け」だからこそのデメリットもありますので、合わせて紹介していきます。
学生向けクレジットカードのメリット
学生向けクレジットカードのメリットには以下の3つがあります。
- 優れた特典
- 審査基準が違う
- クレヒス(利用記録:クレジットヒストリー)
それぞれ簡単に説明しましょう。
優れた特典
学生向けのクレジットカードで1番の特徴は、一般のカードよりも優れた特典が付帯されていることです。
一般的には以下のような特典が付いていますが、クレジットカードによっては、キャッシュバックや利用金額に応じたプレゼントなどもあります。
- 年会費無料
- ポイント還元率UP
- 旅行傷害保険が無料付帯
審査基準が違う
学生向けのクレジットカードは、学生が申し込むことを前提としていますので、収入条件の基準が一般よりも低くなっていると言われています。
また、本人の収入がない場合もあるため、親の収入を考慮した審査がされ、親への確認の電話が入ります。(実際に、申込時に保護者の収入を記載する必要があるカードもあります)
つまり、本人の経済力については、それほど厳しく見られていない可能性が高いということです。
そのため、社会人1年目に初めてクレジットカードを申し込むよりも、学生時代に学生向けカードを申し込んだ方が、クレジットカードを取得しやすい場合があるのです。
クレヒス(利用記録:クレジットヒストリー)
クレヒスというのは、その人がクレジットカードを利用した記録です。
たとえば、今まで1度も遅延や延滞を起こしていないのであれば、「きちんとお金を返す人である」ということが証明できる記録ということになります。
実際、クレジットカードやローンの審査では、クレヒスがとても重要視されています。そのため、返済遅延などなくクレジットカードを使い続けているクレヒスがあれば、カードのランクアップや他のクレジットカードの取得、ローンを組むときなどの審査に通りやすくなるんです。
ただし、クレヒスを蓄積するには、毎月、遅れることなく確実に支払いを続けていくしかありません。
学生向けクレジットカードを持てば、そんなクレヒスをもっとも早く積み上げ始められるわけです。これは、将来の自分に対するとても大きなメリットでしょう。
学生専用カードのデメリットと回避策
学生向けのクレジットカードには、残念ながら次のようなデメリットがあります。
- 利用限度額が小さい
- 期間限定
でも、これらのデメリットは、回避できますので、安心してください。その方法も、まとめて解説しますね。
利用限度額が小さい
学生専用カードを利用する学生には、(親の収入があるとはいえ、)収入がほとんどありません。つまり、カード会社には、立て替えたお金を返してもらえなくなる「貸し倒れ」のリスクがあるのです。
そのため、学生専用クレジットカードのショッピング枠は、5万円から10万円程度になっています。
こうすることで、カード会社はリスクを最小限にしており、そのおかげで、収入のない学生でもクレジットカードを利用できるわけです。
もちろん、一般カードでも同じですので、学生向けのものでは、それほど高く設定されることはないと考えた方が良いでしょう。
でも、「それでは困る!」という人もいるかもしれません。
もし、海外旅行などで一時的に足らないというのであれば、カード会社に相談すれば一時的に限度額を上げてもらうことができますので、それを活用しましょう。
そうではなく、毎月必ず不足するという場合は、可能な限り節約すべきです。しかし、それでも無理であれば、「複数枚の学生カードを利用する」ことで、問題を回避できるかもしれません。
ただし、「クレジットカードに申し込んだこと」と「審査結果」は、クレヒスに残ります。そのため、短期間で何枚ものクレジットカードに申し込むと、カード会社は「この人はお金に困っている」と判断して審査に通りにくくなりますし、せっかくのクレヒスに傷が付くことにもなりかねません。しっかりと考えた上で申し込みましょう。
期間限定
学生専用カードは、学生でなくなれば利用できなくなります。
カードによって違いはありますが、「5年間限定」「卒業する月の月末まで」など期間が限定されており、その後はそのカード会社の一般カードへ自動更新されるのがほとんどです。
「一般カードを学生の審査基準で入手できる」という利点とも言えますが、一般カードになれば、当然ですが付帯サービスも一般カードのものになります。中には、年会費が発生する場合もあります。
このデメリットが問題になるのであれば、「学生専用カードを使わない」という方法で回避することになるでしょう。
一般カードであれば、学生向けのものでも期間が限定されることはありません。
一般カードでも、学生専用カードと比べて特別に特典が劣っているわけではありませんが、内容が同じではありませんので、その辺りも含めてしっかりと考えて申し込みましょう。
良いカードを見つけるには、どんな条件を見るべきなの?
ここまでで説明したように、学生向けのクレジットカードは、「学生の間に持っておく」方が断然有利です。早く利用し始めれば、それだけ特典の恩恵を受ける期間が長くなりますし、クレヒスもためていけます。
ただし、冒頭でも書いたように、きちんと調べて選ばなければいけませんので、確認すべき機能や特徴を説明しましょう。
年会費
年会費は「無料」のものを選ぶのが基本でしょう。使わなくてもお金を支払わなければいけないことは、できるだけ避けたいものです。
でも、年会費無料には「条件付き無料」と「無条件での無料」がありますので、気を付けなければいけません。
「条件付き無料」で多いのは「初年度無料」です。つまり、2年目からは年会費が必要になるというものですね。
また、無料の条件が「前年度に使用実績があること」というカードもあります。これは初年度無料と組み合わされていることが多いです(初年度は前年度実績がないため)。
どちらにしろ、年会費が無料になる条件があるものは、確実にその条件を満たせるものでなければ、避けた方が無難でしょう。
限度額
利用限度額については、前述している通り、学生向けカードではあまり期待できません。
「学生専用カード」よりも、「学生向けの一般カード」の方が高い場合もありますが、本人の収入がアルバイト程度であれば、30万円に達することは難しいと考えた方が良いでしょう。この点は、どのクレジットカードでも、あまり大きな差はないと思われます。
一人前にお金を稼いでいない学生の身なのですから、こればかりは仕方がありません。
前述の通り、海外旅行などで一時的に限度額を上げたい場合は、「一時的な増額」が可能なカード会社もありますので、そういった会社のカードを選ぶことになるでしょう。
手数料
クレジットカードの支払いを分割払いやリボ払いなどの「1回払い以外」にした場合には、手数料がかかってきます。(2回払いまで手数料無料のカードも多いです)
手数料の金額はカード会社によって違ってきますので、比較するポイントになるかもしれません。(利用金額の15%から18%(年率)程度が一般的です)
ただ、学生の頃からリボ払いなどを使う癖を付けてしまうのは、あまりおすすめできません。
この点を重視してクレジットカードを選ぶ場合は、まず日々の生活を見直した方が良いかもしれませんね。
ポイント還元
ポイントについては、多くの人が重視している点ですよね。中には、年会費よりも重視する人もいるほどです。
ただ、「ポイント」は会社ごとやカードごとで違っているのが実状です。そのため、惑わされないようにしなければいけません。
たとえば、以下のカードのどちらがお得なのか、分かるでしょうか?
カードA …1,000円ごとに1ポイント付与!(200ポイント100円キャッシュバック)
カードB …1,000円ごとに10ポイント付与!(15,000ポイントで500円キャッシュバック)
カードBだと思った人は、惑わされていますので、注意してください。
このような場合は、利用料金のどれくらいの割合がキャッシュバックされるか(還元率)を計算することで、正しく比較することができます。
カードA …(1ポイント÷1,000円)×(100円÷200ポイント)×100=0.05%
カードB …(10ポイント÷1,000円)×(500円÷15,000ポイント)×100=0.03%
つまり、カードAは利用金額の0.05%が還元される(キャッシュバックされる)のに対し、カードBは0.03%しか還元されません。そのため、カードAの方がお得なのです。
直感で分からないのは仕方ありませんが、こうした計算をして確認できないと、広告の内容を勘違いしてしまうのです。
旅行保険付帯
大学生になると、平日の閑散期を狙って格安で旅行に行こうと考える人も多いと思います。
そのときに、「持っているだけで旅行傷害保険が付帯している」クレジットカードがあれば、とても心強いですよね。
つまり、旅行をするのであれば、旅行傷害保険の無料付帯も重要な選択基準と言えるでしょう。
なお、旅行傷害保険には、何もしなくても付帯される「自動付帯」と、旅行代金や交通費をカードで決済することで付帯される「利用付帯」がありますので、注意しなければいけません。
学生におすすめのクレジットカード
長くなってしまいましたが、ここまでの説明を踏まえて、おすすめのカードを紹介しましょう!
5券種と少し多いですが、しっかりと内容を確認して選んでいければと思います。
三井住友VISAデビュープラスカード
三井住友VISAカードと言えば、日本では知名度がトップレベルのクレジットカードです。
その学生専用版のカードが、三井住友VISAデビュープラスカードになります。
高校生を除く満18歳から25歳までの学生が対象となるカードで、この5券種の中では知名度が高めですので、親の承認がもっとも得やすいかもしれません。
JCB CARD EXTAGE
JCBカードが展開しているオフィシャルカードで、満18歳から29歳以下(高校生を除く)限定で申し込めます。職業条件はありませんので社会人でも申し込むことができ、有効期限は5年間です(29歳で申し込めば34歳まで使えます)。
ディズニー柄のカードや東京ディズニーリゾートのチケットが当たるキャンペーンなど、JCBのオフィシャルカードらしい特典も特徴的です。
楽天カード
楽天市場を利用する場合に、このカードで決済することで、ポイントが+1倍されるため、楽天市場を利用する人にはとてもお得なカードです。
満18歳以上(高校生を除く)であれば誰でも申し込むことができる一般カードで、もちろん学生でも申し込むことは可能です。
エポスカード
マルイが発行しているクレジットカードで、マルイや提携店でのポイント還元の他、マルイのセール期間「マルコとマルオの7日間」中にはマルイの買い物で10%割引となるお得なカードです。
楽天カード同様、高校生を除く満18歳以上であれば、誰でも申込可能な一般カードで、特典に有効期限があるものではありません。
マルイをよく利用している人なら、とても便利だと思います。
学生専用ライフカード
「誕生日月はポイント3倍」「ポイントの有効期限が5年」など、ポイント関連でお得な印象があるライフカードの学生専用バージョンです。
高校生を除く満18歳以上25歳以下の学生だけが申し込める、学生専用カードです。
「海外旅行でのショッピング代金の5%キャッシュバック」や携帯代金をこのカードで支払えば抽選で毎月プレゼントがもらえるなど、学生向けの特典が魅力的なカードです。(卒業後はこれらの特典が使えなくなります)
おすすめカード比較表
紹介したクレジットカードを比較しやすいよう、それぞれの機能や特徴を表にして並べてみましょう。
|
三井住友VISA |
JCB CARD |
年会費 |
初年度無料 |
5年間無料 |
限度額 |
10万円から30万円 |
10万円か30万円 |
手数料 |
リボ払:15.0% |
解約手数料:2,000円(税抜) |
ポイント |
還元率1.0% |
初年度還元率0.8% |
付帯保険 |
なし |
海外(利用付帯) |
その他 |
26歳以降の更新時に三井住友VISAプライムゴールドカードへ自動更新 |
海外旅行利用分のポイント2倍 |
|
楽天カード |
エポスカード |
年会費 |
永年無料 |
永年無料 |
限度額 |
5万円から100万円 |
10万円から100万円 |
手数料 |
リボ払:15.0% |
リボ払:15.0% |
ポイント |
還元率1.0% |
還元率0.5% |
付帯保険 |
海外(利用付帯) |
海外(自動付帯) |
その他 |
各種キャンペーンや楽天市場などの利用でポイント+1倍以上 |
「マルコとマルオの7日間」は、マルイでの買い物10%割引 |
|
学生専用 |
年会費 |
永年無料 |
限度額 |
5万円から30万円 |
手数料 |
リボ払:15.0% |
ポイント |
還元率0.66% |
付帯保険 |
海外(自動付帯) |
自分で比較してみて、めぼしいものは見つかったでしょうか?
年会費無料にもいろいろ
すでに説明していますが、「年会費無料」にもいろいろあるというのが分かったと思います。
ここに挙げた5券種の中でも、「年会費無料」には以下の種類があります。
- 永年無料
- 初年度無料、2年目以降は前年度の利用実績があれば無料
- 学生向けカードが有効な間だけ無料(年会費無料が学生向け特典になっている)
多くのクレジットカードでは、これらすべてで「年会費無料!」と広告しています。
そのため、多くの人が、すべて「永年無料」だと勘違いするのではないでしょうか?
冒頭で書いた、「惑わされる」典型的な例ですね。
だからこそ、きちんと調べなければいけないのです。
そして、きちんと調べた結果、この中から「年会費無料」という点を重視して選ぶとすれば、「永年無料」の3券種になるでしょう。
あとは、3券種の中から、自分の用途や生活環境に合った最適なものを選べばいいわけです。
たとえば、「マルイをよく使うならエポスカード」、「楽天市場を使うなら楽天カード」といった具合ですね。
まとめ
お得なクレジットカードを選ぶのは簡単です。ここまでに説明したその方法を、改めてまとめましょう。
- もっとも大事な機能や特徴に絞って、候補を選ぶ(今回は年会費無料)
- それぞれのカードの機能や特徴を整理する(比較表)
- 改めて、大事な機能や特徴で候補を絞る(上述で3券種に絞りました)
- 次に大事な機能や特徴で候補を絞る(マルイを使うならエポスカード)
- 決まるまで4.を続ける
手順の2.があるので、最初の候補(1.の候補)は、CMや知名度、インターネットなどで見つけても問題ありません。(自分に合わない特徴が見つかれば、そこで候補からはずすことになります)
その後、重視する機能や特徴を変えながら絞っていけばいいわけです。
「年会費無料」があなたにとって重要な機能であれば、ここで紹介したカードを最初の候補にすれば良いでしょう。比較的お得なカードばかりですので、大きく失敗しないと思います。
ぜひ活用してください。