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成人を迎えた学生なら、親の同意は不要?学生がクレジットカードを作るには

 

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クレジットカードを作るために「親の同意が必要だと作りにくい」という話はよく聞きます。

いまでは、多くの親の理解が進んでいるとはいえ、反対する親も少なくないでしょう。その場合は、申し込むことすらできません。

また、反対はしない親でも、必ず「理由」は聞いてくると思います。
「学業のため」や「留学のため」であれば、理解してくれるかもしれませんが、「遊びのため」「スマートで格好いいから」などという理由では、賛成してもらえる可能性はあまりありません。

そのため、「いちいち親へ説明するのが面倒」と思い、満20歳になってからクレジットカードを申し込もうと考えている人はいるでしょうか?

 

確かに、成人を迎えれば、学生であっても「親の同意」は不要になります。
しかし、だからといって、簡単にクレジットカードを作れるのかというと、じつはそうでもないんです。

クレジットカードの作成に「親の同意」が必要な理由や、不要な場合と比べた手順について、詳しく解説していきます。

学生がクレジットカードを作るには

学生がクレジットカードを作るためには、次のような条件があります。

  • 18歳以上であること
  • 中学生、高校生ではなく、学生であること

つまり、中学生や高校生でなければ、未成年(20歳未満)でも申し込むことができるということになります。

しかし、日本の法律(民法)では、成年と未成年では、まったく扱いが違います。そのため、クレジットカードの申し込み方法もその扱いが違っているのです。

成年と未成年の場合で違いがある。

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民法第4条で規定されている「成年」というのは、満20歳以上の者のことで、満20歳に満たない者は「未成年」に当たります。

この2つのもっとも大きな違いと言えるのが、民法第5条第1項に規定されている「未成年者の法律行為」です。

未成年者の場合、法律行為を行うには「法定代理人の同意」を必要とします。もし、法定代理人の同意なしに法律行為が行われた場合は、その行為をあとからでも取り消す(なかったことにする)ことができるのです。

クレジットカードの契約も「法律行為」に含まれますので、「法定代理人の同意」を得ていない契約は取り消すことができるということになってしまします。つまり、クレジットカードの契約そのものがなかったことになり、カード会社は立て替えたお金を回収できなくなってしまうわけです。

そのため、未成年者がクレジットカードの契約を行う場合、必ず「親(法定代理人)の同意」が必要となっているのです。

具体的には、未成年者が申し込む場合の必要書類の中に「親権者の同意書」があり、そこに親の署名と捺印が必要になっています。

逆に、成年(満20歳以上)の場合は、「親の同意」が不要になっているクレジットカードが多いです。

しかし、あくまでも「親の同意が必要という明記がない」という程度ですので、気を付けなければいけません。

成年学生の申し込み

前述の民法第5条の部分だけ見れば、成年の場合「親の同意」は不要で、特別な手続きもなくカードを申し込めることになります。

しかし、学生がクレジットカードを申し込むとき、実際には成年でも「親の同意」「親への確認」が必要となることがあるんです。

成年でも親の同意を求められる場合がある

成年でも「親の同意」や「親の確認」が必要な場合は、「本人に収入がない」もしくは「本人の収入が不安定・少ない」ときです。

クレジットカード会社としても、学生にクレジットカードを持ってほしいと思っていても、立て替えたお金が回収できない「貸し倒れ」になるのはできる限り回避しなければいけません。

そのため、最悪の場合の保証として、親の同意をとっておくのです。そうすれば、本人が返済できなくなった場合、親に肩代わりしてもらえる可能性があるので、「貸し倒れ」のリスクを回避できます。

なお、「親の同意」をとって契約するということは、「親の信用でお金を借りる」ということになります。その結果、「親の同意」を得ると、限度額が上がるというありがたい副作用もあります。

親の同意が必要となる場合には

「親の同意」が必要な場合、手続きとして違っている部分を具体的に紹介しましょう。すべでのクレジットカードで同じとは限りませんが、一般的にはこれらの手続きが追加で必要となります。(場合によっては、収入証明などの書類も必要とすることもありますが、一般的ではありません)

申し込み時に親の連絡先などの記入事項

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学生専用クレジットカードでは、申し込み時の必須入力項目に、「親の氏名」「親の住所」「親の連絡先(電話番号)」などの項目があります。

これらは前述の「親の信用でお金を借りる」ための第一歩で、親と実際に連絡がとれるかどうか、「ウソを吐いて親に隠してクレジットカードを作ろう」としていないかを確認するためのものです。

そのため、実際に連絡のとれる連絡先などでない場合は、審査に通りません。決してウソは吐かないようにしてください。

また、これらの親の情報(信用情報を参照するかどうかは一概に言えません)は、親の信用で本人の信用を補完するためにも使われますので、ウソを吐くのは逆効果にしかならないでしょう。

審査時に意思確認の連絡

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実際に存在する住所や電話番号だとして、それが本当に親につながる連絡先かどうかは、第三者には分かりません。

そのため、カード会社から親の連絡先へ確認の電話がかかる場合があります。

これは、ただつながるかどうかだけではなく、本人がクレジットカードを作ることに、親が同意しているかどうかの意思確認です。この確認がしっかりできていないと、いざという時に肩代わりしてもらうことはできません。

つまり、高い確率で親に意思確認の連絡が行くことは覚悟しておいた方が良いでしょう。

もし、ここできちんと意思確認できなければ、高い確率で審査に落ちると思われます。

当然ですが、この電話に対して身代わりなどで対応してもバレます。もしそんなことをすれば、ただ審査に落ちるだけではなく、「不正をしてクレジットカードを得ようとした」として、そのカード会社のクレジットカードを取得することがとても難しくなるでしょう。

まとめ

未成年者がクレジットカードを作成するには、必ず「親の同意」が必要です。これは、法律の問題もありますので、避けようがありません。

しかし、満20歳以上の成年であっても、学生の場合は「親の同意」が必要なことがあります。特に、収入がない人や、収入があっても少ない人は、ほぼ必ず必要だと思って間違いありません。

具体的には、親の連絡先を報告するだけではなく、「親がクレジットカード作成を認めていること」の確認の電話も行われることがあります。

そのため、必ず親には話をしておかなければいけません。

クレジットカードは、商品を立て替えで購入できるものです。つまり、信用でお金を借りる借金です。そのため、借りたお金を返せない人は使うことができません。

そのため、本来であれば、収入のない学生がクレジットカードを持つことができるというのは、とても希なことです。その希なことを実現させているのが、なによりも「親の信用」が大きいということなのです。

クレジットカードを作るために「親への説明」が面倒で、こっそり作りたい気持ちは分かります。しかし、いざという時に助けてくれるのは、親しかいません。そのため、隠し事をすることなく正直に話すことをおすすめします。

「親の同意」というのは、「信用」のない学生がクレジットカードという信用を得るための、唯一もっとも効果のある方法なのです。